【ソムリエ・ワインエキスパート試験案内その4 ワインスクールのメリット】
【その4 ワインスクールのメリット】
ワインスクールのメリットは、それはそれは、たくさんあります。
正直、ソムリエ試験対策の独学はいろいろな観点からオススメできません。
今回は、
知識の醸成期間・
1次試験対策・
2次試験対策・
3次試験対策・
最後に大事な
コスト面
に分けて みていきましょう。
知識の醸成期間(〜7月中旬)
ワインスクール | 独学 | |
勉強のムダのなさ | ◎ | △ |
スケジュールの柔軟性 | △ | ◎ |
ペースメーカー的役割 | ◎ | △ |
疑問点の解消 | ◎ | △ |
精神面でのバックアップ | ◎ | ☓ |
相対的な自分の進捗の把握 | ◎ | ☓ |
例えば貴方が、
毎日十分な自由時間があり、
自分で自分をきちんとコントロールでき、
強靭な記憶力の持ち主で、
1日2時間の教本読み込みを継続できる人であれば、スクールに来なくても大丈夫です。
1次試験は教本を完全に暗記していれば、合格できます。
まあ、しかし、そんな人は ほとんどいないかと思います。
<勉強のムダのなさ>
スクールでは、
分厚い教本のなかで、どこが重要ポイントなのか、
ほかに 重要ではないかも知れないが試験では狙われやすいポイント など、
絞り込んで得点に直結する授業を行います。
教本のボリュームは 大迫半端ないって 状態ですので、←SEO対策・笑
何も考えずに端から覚えようとすると、大変な労力となります。
<スケジュールの柔軟性>
スケジュールの柔軟性は、そりゃ独学のほうがありますよ・笑
でも、逆に言えば、独学の場合は、スケジュール管理を自分でやらないといけないという事です。
それ、けっこう時間的コストがかかりまっせ。
<ペースメーカー的役割>
試験から逆算して、だいたい同じ勉強の強度でやり抜けるように
ワインスクールのカリキュラムは組まれています。
皆さんは、その流れに乗っかって、目の前の勉強に集中すればいいです。
独学だと、特定のジャンルに時間を使いすぎたり、最終的に時間が足りなくなってしまったり、
そんな事がしょっちゅうです。
<疑問点の解消>
独学でも、じっくり調べれば疑問点は解消できます。
しかし、時間的なロスが発生しますね。
この試験はとにかく時間との戦いです。
眼の前の講師に訊いて、その場でスッキリ解決できるスクールのほうが時間ロスが当然少ないです。
<精神面でのバックアップ>
たぶん、これがスクールの最大のメリット。
この試験はとにかく覚えるべき知識量が膨大なので、誰しも心が折れそうになります。
スクールでも毎年、GW前後ごろから生徒さんの焦り・不安が高まってきます。
ひとりで、孤独に勉強していると、誘惑に負け、ズルズルとだらけてしまうかも知れません。
スクールでは目標を共にする仲間ができますし、
例え、馴れ合いが好きでない人でも、周りの人が頑張っている姿が目に入りますので、
適度な緊張感を持ち続けられます。
僕も、毎年受験を教えていて、
だいたい この時期は生徒さんがこんな心理状態になる というのが分かってきましたので、
その時期に適した、声掛けができるようになってきました。
<相対的な自分の進捗の把握>
スクールでは毎回小テストがありますし、
カリキュラム全体で中間テストと修了テストがあります。
ここで、自分のだいたいの進捗を把握できます。
ソムリエ試験の世界には、
大学受験の公開模試のような誰でも受験できる模試を行っている組織はありませんので、
独学の方は、自分の進捗状態を他の受験生と比較するすべを持ちません。
1次試験に関して (2018年〜)
ワインスクール | 独学 | |
問題収集力 | ◎ | ☓〜△ |
試験全体の情報 | ◎ | △ |
2018年から導入されたCBT試験により、一日で皆が同じ問題を解いた一昨年までと異なり
1次試験の期間は約40日間と長丁場になりました。
スクールでは、巷に溢れる1次試験に関する情報を収集・整理し
生徒さんにすばやく伝達していきました。
詳細に関しては、
あまりここで書けません。
企業秘密です。
(受験説明会に来てくれれば、口頭でお伝えできます)
しかし、この期間中の情報収集力の差が、
生徒さんの合格に大きく寄与したのは間違いありません。
全国の1次試験合格率 3割〜4割 に対して
僕のクラス修了生の1次合格率 9割以上
生徒さんの実力もあるでしょうが、この7月・8月のスクールの分析力も大きいはずです。
また、分析という作業をスクールがやる事によって、生徒さんが勉強に集中できるのも 大きいと思います。
2次試験に関して
ワインスクール | 独学 | |
テイスティング能力そのものの醸成 | ○〜◎ | ☓〜◎ |
ソムリエ試験の形式に慣れる訓練 | ◎ | ☓〜△ |
完全なブラインド・テイスティング | ◎ | ☓〜○ |
系統的にテイスティングできる場数 | ◎ | ☓〜△ |
2次試験に関して、スクールが優位なのは、誰がみても明らかだと思います。
<テイスティング能力そのものの醸成>
スクールでは、
毎週 6種類のワインと
2種類のその他のお酒
をブラインド・テイスティングで飲んでいきます。
無駄な銘柄はなく、すべて、試験を意識したワインとお酒となります。
ブラインドで飲む事で、分析能力は飛躍的に向上していきます。
講師による解説も聞くことで、
1杯のワインに対して、どのようにアプローチしていくのか、
ライブで一緒に飲む事で得られるものは多いです。
独学 ☓〜◎
としたのは、皆さんの環境によっていろいろ事情が違うであろうからです。
ソムリエ受験と言っても、普段の営業ではほとんどワインに触らない方もいるだろうし(☓)
バイ・ザ・グラスが充実していて、毎日たくさんのワインの味見をする方もいるでしょうから(◎)
僕が昔働いていた銀座と渋谷の シノワ なんかにいたら、毎日20種以上のワインの味見をしますので、
2次の対策はマーク対策だけでいいかも知れません。
<ソムリエ試験の形式に慣れる訓練>
ある程度 習熟度が上がった時点から、スクールでは実際の2次試験を想定しマーク式の解答の練習を行います。
これは、独学でも不可能ではありませんが、
やはり、
目の前のワインに対して、講師だどうマークするか、
また、その論拠は何なのか。
こういうのを、その場で確認できるのは、スクールならでは、です。
<完全なブラインド・テイスティング>
独学でも、工夫すれば、ブラインド試飲ができるかも知れません。
例えば、パートナーにワインを選んでもらって、出題してもらうとか。
しかし、なかなか、完全にブラインド試飲の環境を実現するのは、難しいものです。
スクールはハード・ソフト両面でブラインド試飲を想定したスペックになっています。
<系統的にテイスティングできる場数>
例え、貴方がたくさんワインを扱う職場にいるとしても、
ソムリエ試験に出題される、典型性の高いワインを、
複数並べて、同時に、完全ブラインドで飲む機会はなかなか作れるものではないでしょう。
同じ品種の産地違い
同じ価格帯で品種違い
同じ銘柄でヴィンテージ違い
こういった系統的な比較試飲ができるのは、やはりスクールだけだと思います。
3次試験に関して
ワインスクール | 独学 | |
実際にワインを使用しての練習 | ◎ | △〜◎ |
衆人環境でのデモンストレーション | ◎ | △ |
最新の情報 | ◎ | △ |
3次試験に関しては、個人差が大きいです。
<実際にワインを使用しての練習>
ワインスクールでは、普段ソムリエナイフを使わない方も、
受験までに合格できる水準にもっていきます。
そのノウハウを蓄積しています。
(受験生には航空会社の客室乗務員の方もたくさんいらっしゃいますが、
彼女/彼 らの職場は機内ですので、ソムリエナイフは当然持ち込めません)
普段、高級レストランで、本当に古酒を抜栓している人にとっては、
あまり、受講するメリットがないかも知れません。。。
そりゃそうですよ。
試験で緊張する、と言っても、
大事なお客様の眼の前でロマネ・コンティを抜栓するよりは、全然 余裕ですからね。。。
そういう場数を踏んでいる方にとっては、 へ みたいな試験です。
<衆人環境でのデモンストレーション>
独学派のなかには、自宅で飲むワインをパニエに入れて、練習する方もいらっしゃるでしょうが、
実際の試験と同じ、衆人環視の状況で抜栓できるのは、スクールのメリットです。
<最新の情報>
ソムリエ協会のオフィシャルの抜栓動画は、ときどきアップデートされます。
もし、独学派の方で、
「職場の先輩が5年前にソムリエ受験したからその人に教わる予定」
という方がいたら、
5年前と今だと、
所作に多少の違いがあるという事を知らないと、失敗します。
ワインスクールの情報は、常に最前線のものです。
コスト
ワインスクール | 独学 | |
1次試験対策 | △ | ◎ |
2次試験対策 | ◎ | △ |
3次試験対策 | ○ | ◎ |
最後に大事な大事な、受験コストを考えてみましょう。
ワインスクールのコストは、スクールによって多少の違いはありますが、
おおよそ、15万〜20万弱と考えていいかと思います。
これで、1次試験対策と2次試験対策がセットになっています。
<1次試験対策>
独学の方は、まあ教本のほかに、市販の問題集を購入するくらいでしょうから、
当然、独学ほうが安くあがります。
でも、それって本当ですかね?
時は金なり
時間的なコストも計算していますか?
例えば、独学で、100時間無駄な勉強をしてしまったら?
例え独学で合格できたとしても、結局同じ じゃないですかね?
その100時間でやれた事を考えれば。
あと、
コストを考えたとき、
いちばん、損なのは
落ちる
ことですよ?
スクール行った 1発で受かった
⇒
コスト 20万円 と 1年の勉強時間
独学で頑張った 2年目で受かった
⇒
コスト 3万 と 2年の勉強時間
どっちが得ですか?
<2次試験対策>
2次試験対策は、
質の面でも、コストの面でも、スクールの圧勝です。
独学でも、2次対策はワインを飲まなきゃ勉強できません。
結局、2次試験前に、独学の人も、身銭を切ってワインを買う事になります。
でも、ワインは60ccとか、そんな量では売ってませんから。
ハーフボトルで買ったところで、結局、割高なんですよ。
確かに、ワインスクールでは、ワイン代のほかに、テナント費や人件費などもかかってますけど。
でも、1本のワインで15名ぶん、無駄なく使い切りますから。
結局、生徒さんにとっても、いちばん安いんです。
スクールに来る以上に、安く、ちゃんとした環境で、ブラインド試飲をする方法はありません。
<3次試験対策>
独学の方のコストは、それこそ人によりけりでしょうね。
自分で普段飲むワインを使って練習をするなら、練習じたいは1円もかからないのかも知れませんが。
しかし、今日び、安くて、天然コルクのワインって多くないので、ワイン代がかかってきますね。
3次試験対策は、スクールでは、だいたい2万程度でしょうか?
僕の在籍するレコール・デュ・ヴァンでは2万円です。
全10回です。
毎回、天然コルクの赤ワインひとり1本、抜栓します。
こちらも、もともと高い金額ではない。
まあ、ですから、あまりコスト比較云々の話にならないと思います。
結論としては、
時間的なロスまで含めると、
独学のメリットはほとんどない、と言えると思います。
遠隔地でスクールに通う事ができない皆さんには、申し訳ないのですが、試験の特性上、これが事実です。
例えばですね、
社会人に人気の資格
宅建士
これスクールで通うと、15万くらいするみたいです。
でも、宅建士は頑張れば独学でも合格できます。
だから、宅建士を受験するのなら「独学 or スクール」は重要な検討事項になると思う。
しかし、
ソムリエ・ワインエキスパートは
今まで見てきたように、
試験の性格上
独学は圧倒的に不利なんです。
でも、スクールのコストは同じくらいです。
しかも、ワイン代も含まれている!
だから、
「スクールに行ける環境にあるのなら、スクールに行かない理由はない」
と、自信を持って言えます。
次回はレコール・デュ・ヴァンの特徴をお伝えします!

- 2019.01.20 Sunday
- JSAソムリエ試験関連
- 22:39
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- by しのはら